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No.12 不動産投資の節税効果とは
2019.12.07 | by select
不動産投資物件を勧誘してくる業者の中には
不動産投資は節税効果がありますという、セールストークをする会社があります。
では実際に、不動産投資の節税効果とはどのようなものなのか、
どういう点で発揮されるのかを見ていきましょう。
サラリーマンの給与所得と損益通算できる
不動産投資の節税効果の最大の目的は、給与所得と損益通算ができる点です。
損益通算とは給与所得と不動産所得の損益を合わせることで、
年間所得を少なくして、所得税や住民税を還元してもらうことを指します。
不動産物件を購入した初年度や翌年度は、登録免許税や不動産取得税、
減価償却費や固定資産税など多数の費用が発生するため、
年間の不動産所得は赤字になりやすいです。
例を挙げてみると、不動産を購入した初年度の最終的な損益がマイナス100万円だったとします。
そして給与所得が700万円だった場合、この二つの所得を合わせることで
年間の最終的な所得を700万円-100万円、つまり600万円にできます。
所得税は累進課税ですから、所得が多い人ほど税率が高くなります。
所得が700万円の方の所得税率は23%ですが、
所得が600万円になれば税率は20%に下がります。
もちろん所得自体も下がるので、最終的な税額は大きく変わってきます。
これが不動産投資の節税効果なのです。
耐用年数以内の物件であれば減価償却で節税できる
損益通算は不動産所得がマイナスになっていないと意味がありませんが、
不動産所得を抑える要素の一つに、減価償却費があります。
建物や設備は一般的に月日が経つにつれ価値が下がっていくものと考えられるため、
それらを取得するために要した費用を、資産が利用できる期間に分割して
経費として計上することができます。
この期間を法定耐用年数と呼び、木造は22年、重量鉄骨造は34年、RC造は47年です。
分かりやすく言えば、2,200万円で木造物件を購入した場合、
22年間、毎年100万円を減価償却費として経費計上することができます。
木造物件は法的耐用年数が短いので、1年間に計上できる金額は大きいですが、
短期間で減価償却期間が終わってしまいます。
RC造物件は1年間あたりの減価償却費は少ないですが、長期間計上できるメリットがあります。
中古物件を購入する時は、減価償却があと何年間できるのかも注意しておきましょう。
節税効果はあくまでも副次効果である
不動産投資に節税効果が生まれることが分かりましたが、
節税ができるということは、基本的には利益が出ていないということです。
損益通算をして所得税や住民税の還元を受けられるのは基本的には2~3年程度です。
逆にそれ以上の年数、不動産を所有しているのに利益が出ていない状態は、
将来的には資産ではなく負債になる可能性が高いです。
節税ができるという謳い文句に乗って収益性の低い物件を購入するのではなく、
購入から数年間は節税もできる程度で、
基本的には利益を大きく出すことができる物件を選ぶようにしましょう。